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歌舞伎町の中心で10年前を思い出す
 歌舞伎町の中心で10年前を思い出すキャフー 2010年04月30日 15時03分 ライターという仕事は、取材に時間をかける日もあれば、執筆に時間をかける日があります。取材に時間をかけるのであれば、多くの人と話をしたり、風景を見たりするものです。一方、執筆に時間をかける日は、人と話をしないこともあります。もちろん、事務所(兼自宅)見ている風景はまったく変わりません。

 執筆を一日中していると、急に誰かと話をしなくなったり、人ごみの中に身を寄せたくなったりします。そんな時、私は歌舞伎町に出かけて、夜な夜な飲み歩いてしまうものです。この日も、キャバクラでも行こうかな、と思っていたら、いつもと変わらない客引きの声かけがあり、「そんな声かけではキャバクラなんかいかないよ」と思いつつ、噴水広場でたたずんでいました。

 そのとき、ふと10年前を思い出してしまったのです。

 10年前、私はいつもこの場でたたずんでいた。まだ、フリーライターになりててて、発表の当てのない取材の日々が続いていたのです。私は、取材をすると、その人になりきってしまうことがあります。取材をした人の心情が自分の心に入ってきます。その人の人生を再体験するかのようでした。

 そんな取材を繰り返していると、ふと、「何者でもない自分になりたい」こと思うとがありました。取材の相手は、私に対して話をしている。その相手にとって、「私」は、話をしたい、あるいは話をせざるを得ない人なのです。そして、私という「メディア」を通じて、何らかのことを伝えたいことを欲しているのです。そうした社会的な役割を担っているのです。

 それは、フリーライターという職業とか、私が取材をしている分野の性格を考えると、宿命的なものがあります。しかし、歌舞伎町にいれば、自分が他人と変わらない多くの中のたった一人の自分ですが、誰からも特に必要とされない、あるいは要求されない自分を見つけ出すことができました。そんな自分を見つけるとき、ふと、肩の荷をおろすことができるのです。私にとって、10年前の歌舞伎町、特に噴水広場前はそんな場所でした。

 しかし、この夜はなぜか違っていました。新宿にYAMADA電気が進出してきて、その風景が変わったせいではありません。コマ劇場が閉鎖し、その後も見通しがないことも多少は影響していますが、それだけではありません。やはり、最も大きいのは、新宿に匿名の人たちが減ったせいではないか、と感じたのです。

 匿名の人たちーーー。10年前、噴水広場前は、路上ミュージシャンやカメラマン、占い師、ナンパ師、ホームレス、そして酒飲みが夜な夜な集まっていた場所だったのです。そこに行けば、名前や出自、現在の職業さえ分からないけど、顔見知りがいたものです。彼ら彼女らと話をすることで、癒されていたものです。特にお金がなくても、そこにいれば、朝まで過ごすことができました。いろんな愚痴を言ったり、夢を語ったりしたものです。

 しかし、同じ場所でありながら、そこはもう、すでに癒しの場所ではなくなってしまっていました。10年前からずっと残っているのは、ホストやキャバクラのキャッチくらいなものです。歌舞伎町は様変わりしてしまったのだ、と考えてしまったわけです。同時に、時間の流れも感じてしまいました。

 私はいったい何が変わったのでしょうか。何も考えずに10年が過ぎてしまったようにも思います。あの頃抱えていた不安が解消されたわけでもなければ、夢が実現したわけでもない。とは言っても、その10年でいろんな人と出会ったことはたしかです。経験もしました。そのほとんどが歌舞伎町を中心としたものだったように思います。
2010.06.21 Monday | ナイトン | comments(0) | trackbacks(1)
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